ため池や用水路における
水難事故

ため池周辺の都市化や混在化が進み、ため池の防災利用や親水公園利用等、多面的な利用が注目されていますが、ため池や用水路での水難事故も全国的に多発しています。

警察庁生活安全局生活安全企画課「令和4年における水難の概況」、
宮城県農政部農村整備課「過去5年間の宮城県内農業用用排水路等による水難事故の表」

田植え時期等、農作業が盛んな季節になると、ため池の水位や水路の流量・流速が高くなり、子どもやお年寄りにとって大変危険な場所になってしまいます。 そのため、フェンス等が設置された場所や施錠された場所、注意・警告看板等がある場所には近寄らないようにし、併せて保護者やご家族、地域住民同士での声掛けを行い、ため池や水路での事故を未然に防ぐことが重要です。 また、保護者や家族等と一緒であっても、ため池には絶対に立ち入らないようにしてください。ため池に転落した場合、健康な成人男性であっても自力で這い上がることは非常に困難であり、溺れた子どもを助けようとし、親子で亡くなってしまった痛ましいケースが数多くあります。

ため池からの脱出は非常に困難

一般社団法人水難学会が公開している現役の水難救助隊員による実演

安全施設

ため池周辺では、都市化や混在化が進んでいるところも多く、転落事故などの危険性が増しています。ため池における転落事故を防ぐため、ため池に危険な箇所がないか日頃から確認し、ネットフェンス等が破損している場合は、ロープ等で人が立ち入らないようにし、速やかに補修を行ってください。

安全施設の自己診断例

  • 進入する出入口の施錠がされているか
  • 転落防止用安全柵が破損して人が入れるようになっていないか
  • 看板は表示が消えかかっていないか
  • 小さい子供が理解できる表示板の内容となっているか
  • 安全柵等を越えて遊ぶ子供や釣り人がいないか
  • 夜間外灯の設置の有無と点灯の確認(堤体周囲の道路の交通状況も確認する必要)
  • 構造上の問題(深さや垂直な側壁)あるいは水深等から、転落した場合に、子供が脱出できる構造かどうか
  • 通学路、住宅密集地に位置していないか
  • 過去に転落事故が発生していないか
  • 周辺の施設で転落事故が発生していないか
  • 周辺自治会等との情報交換(安全柵の設置、通水時期の周知等)
  • 転落の危険性等の周知(灌漑期に入る前に広報誌等でため池の危険性を周知)

引用:農林水産省「ため池の安全管理は大丈夫?

破損や劣化した施設は
速やかに補修を行ってください

ネットフェンス
経年劣化で破損した
ネットフェンス
注意看板
経年劣化で
判読できない注意看板

新たに危険と判断された箇所には、追加で進入防止柵や注意看板等を設置するなどしてください。 また、ため池管理者は行政が開催する研修会・講習会等に参加していただき、事故事例を学びながら安全に対する意識を向上させるとともに行政と協力し地域住民に向けた事故防止の啓発活動を実施することも重要となります。

救助ネット等の安全施設に関する製品について

ため池管理者として、注意看板やネットフェンス、進入防止柵等の整備を行うなど、事故の未然防止に最善の努力を払っていても事故を完全に防ぐことは困難な面があります。また、令和4年7月には東北農政局管内において、ため池の草刈り作業中に作業員1名が誤ってため池に転落し、救助を試みた方も溺れてしまい、2名が亡くなってしまうという痛ましい事故が発生してしまいました。安全施設の整備は、ため池の管理者・所有者の責任であるとともに、周辺住民や管理作業において、安全を確保し生命を守る非常に重要な施設であることを再認識していただきますようお願いいたします。安全施設の例として、以下の製品がありますので参考にしていただき、安全施設の整備・更新等、対策を講じていただきますようお願いいたします。

ポリコンポネット※1製救助ネット

ポリコンポネット製ネット1
ポリコンポネット製ネット2

写真提供:大嘉産業株式会社、東北興商株式会社

〔参考〕宮城県大崎市での実証実験

平成30年7月に、ポリコンポネット製救助ネットの有効性を検証するため、同素材の救助ネットを製造している大嘉産業株式会社が、第三者機関である一般社団法人水難学会に実証実験を依頼し、実験が実施されました。実験には、宮城県大崎市内にあるゴム製遮水シート法面のため池が選定され、実際にため池からの這い上がり等が行われ、救助ネットの強度や滑り止め効果など有効性が確認されています。

〔参考〕実証実験で使用された製品

※1 ポリコンポネット・・・籠マットや落石防止ネットに使用される高強度・耐候性化学繊維の名称
※2 「ため池救助ネット」は、大嘉産業株式会社の製品名になります。
※3 技術適合検査結果は、「ため池救助ネット」の検査結果となります。


金属製救助ネット

金属製ネット1
金属製ネット2

写真提供:JFE建材株式会社東北支店、小岩金網株式会社東北支店

金属製ネットはロール状になっており、展開するだけで敷設が可能となっています。また、金属製のため、製品自体に重量があり、土嚢等の重りが不要な製品も多く、繊維製ネットに比べ、たわみが少ないといった特長があります。

〔参考〕金属製ネット製品

※4 「水難救助ネット」は、JFE建材株式会社東北支店の製品名になります。

〔参考〕水難救助ネット施工動画

その他の安全施設(脱出補助施設)設置例

  • 浮き輪(ブイ)、浮きロープの設置
  • 階段護岸、足場ブロック
  • 救命道具の常備

水難事故防止ポスターデータ

ため池で溺れる人がいたら

もし、ため池に転落してしまった人を見つけたら、速やかに119番通報し、ため池に飛び込んで助けようとは絶対にしないでください。通報後は、周囲に救命浮き輪やブイ、空のポリタンク等の浮きに代わるようなものがないか探し、あれば溺れている人に向けて投げ入れてください。ロープや長さのあるもの(竹や竿等)で、引っ張り上げることも有効ではありますが、1人で行う場合、引きずりこまれる可能性があるので、複数人で協力して行ってください。

ため池管理者の方の相談窓口

022-263-5814

受付日時 
火・木曜日 9:00 ~ 12:00 /
13:00 ~ 16:00

場所:〒980-0011 宮城県仙台市青葉区上杉2丁目2番8号
※祝日、休日、年末年始(12 月29 日~翌年1月3日は除く)
※来所の場合、要予約になります。